日本の「食」問題を考えよう①〜食料自給率について〜

日本の「食」の問題を知り学ぼう!!

ここでは日本の「食」が抱える課題や問題をお話ししていきます。難しい問題もありますが入門編として様々な問題をなるべくわかりやすく説明していきますね。

「食料自給率」について学ぼう!食料自給率とは?

第1回目は「食料自給率」についてです。

(正確には総合食料自給率と品目別自給率がありますが今回は一般的によく使われる総合食料自給率についてお話しします。)

この言葉、みなさんも一度は聞いたことがあると思います。

また「日本は世界に比べて食料自給率が低い。」とか「食料自給率を上げないとダメだ!」なんて言葉で聞いているかも知れません。

この「食料自給率」という言葉なんとなくは知っていてもハッキリとは分からなかったり、なんで食料自給率が低いといけないのかが分からないなんていう方もいるかも知れませんね。

では、「食料自給率」とは何か?どうして低いとダメなのか?を学びつつ、諸外国の食料自給率なども併せてみていきましょう

このページを見れば「食料自給率」の基本の「き」がわかると思います

<食料自給率とは?>

国ごとに食べている食料のうち、どのくらいが国産で賄われているのかという割合のことです。

突然ですが、みなさんは日本の食料自給率はどのくらいか知っていますか?

答えは、カロリーベースで38%生産額ベースで63%(2021年度 農林水産省HPより)

そう言われても高いか低いかわかりませんよね。そもそもカロリーベース?生産額ベース?って感じですよね。一つずつ解決していきましょう!

食料自給率は大きく2つに分かれます。カロリーベースと生産額ベース。

カロリーベースとは熱量換算。

つまり、1人が一日に必要なカロリーに対して国内で作られた食品でまかなえる分量で試算した数値です。例えば、一日に必要な摂取カロリーが2,000kcalの人がいたとすればそのうちの760kcalしかまかなえません。言い換えれば、国産の食材では全人口の38%の人分しか食材がないとも言えます。ただし、実際には廃棄になり消費されていない食べ物も含まれていてるので注意が必要です。また、世界に目を向けてみるとカロリーベースの食料自給率を採用している国は少ないです。

一方、生産額ベースは簡単にいうと日本人が必要な食料にかかる金額と生産している食材の金額とを照らし合わせた数字です。少し簡単にいうと日本で生産した食材の金額を日本人が食材費に使う金額と割って導き出した数字です。

ここで整理しておくとカロリーベースの食料自給率が38%と低い水準なのは日本で作られる食材はカロリーの面で見ると低いものが多く肉や小麦、油などのハイカロリーな食材は輸入に頼っているためという事もできる。現に、野菜の国産割合は70%を超えているがカロリーは食料全体の数%程度にしかならないのです。

では、生産額ベースの食料自給率が63%という数字なのはどうだろう?野菜を例に見てみるとカロリーベースでは数%の貢献度だったが生産額ベースでは20%を超えています。生産額ベースで考えるとそこまで厳しい数字ではないことがわかります。

 

日本と世界の食料自給率を見てみよう。

どうして食料自給率を高めないといけないの?

世界と比べてみよう!

なるほどカロリーベースと生産額ベースはなんとなくわかったけど世界的に見て日本は食料自給率は本当に低いの?

<カロリーベース>

カナダ233%、オーストラリア169%、アメリカ121%、ドイツ84%、イタリア58%、日本38%

<生産額ベース>

カナダ118%、オーストラリア126%、アメリカ90%、ドイツ64%、イタリア84%、日本63%

となっています。外国と貿易をしている現代社会では食料自給率が低くても「現状は」大きな問題はないかも知れません。では何故2030年までに食料自給率をカロリーベースで45%、生産額ベースで75%まで上げようと国をあげて声を上げています。なぜこのままではいけないのでしょうか?

食料自給率を高めないといけないのはなぜ?

これは廃棄の問題、国際情勢の問題、生産農家の問題、遺伝子組み換え等の食の安全に対する問題などさまざまな理由が挙げられます。これらはまた一つづつ考えていくべき問題なのでここでは詳しくお名無しすることはしません。

今回は食料自給率という言葉の基本をお伝えしました。最後の問題の部分は多くの事柄が複雑に絡み合っていますので少しづつ学んでいきましょう。

少しでもお役にたてていただければ嬉しいです。

 
 

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